開発担当として,行った作業を教えてください.
まず,「Dr.Net 予約くん」の基盤となるシステムの環境を作るところからお話致します.
ビット珈琲はウェブサービスの開発を事業の柱としていますが,その中で汎用的なフレームワーク「bf」というものを開発しています.
「Dr.Net 予約くん」は「bf」の環境を最大限に生かした構成で開発を行いました.
しかし,「bf」はあくまで汎用的なウェブサービス用のフレームワークなので,「Dr.Net 予約くん」の開発に際しては,そのまま使用することができず,大幅に手を入れる必要もありました.「Dr.Net 予約くん」を開発していくことで,逆に「bf」の開発に繋がった部分もあります.
フレームワークというものはどういうものでしょうか?
ウェブサービスを作る際,ミドルウェアの上にゼロからコードを記述していきますが,多くのサービスでは基盤の部分で共通するコンポーネントがあるので,車輪の再発明にならないように,基盤の部分を部品化したものの集合がフレームワークです.
「Dr.Net 予約くん」のおかげで「bf」もずいぶん進化しました.
医療系のITサービスということで,他のインターネットアプリケーションと違い,開発する中で特に気をつけた点はありますか?
まず,徹底して簡単であること.
医療の世界ではとかく現場が忙しくなりがちなので,そのような中でマニュアルを読まないと使えないシステムにならないように気にしました.老若男女問わず,直感的に使えるということを意識しました.
ウェブサービスのメリットでありデメリットに,機能を簡単に追加していけるという点があります.その機能の必要性などを深く考えずに,できるからやってみようという多機能化がウェブサービスの特徴とも言えます.しかし,機能が増えることは同時に迷うポイントが増えるということにも繋がります.「Dr.Net 予約くん」では迷うポイントを極力無くす為に,必要ない機能はなるべく省く,工夫をしました.
特にここにこだわったという部分はありますか?
専門的な用語で言えば,パスを一本化するということです.
パスというのは操作する順路のことで,予約の開始から完了まで,全ての人が必ず同じ道を辿るように造られています.途中で横道にそれたり,人によって画面が違うということがないようになっています.
ATMなどでは当たり前のことですが,このようなことをウェブサービスで実現しているケースは珍しいと思います.
開発する中で行き詰まった点などはありますか?
一つ,ウェブサービスのデメリットとも言えるのはブラウザという環境に制約されるということがあります.ブラウザの主な画面遷移の仕方に,リンクをクリックするという動作とフォームに入力して送信するという2つの進み方が存在するのですが,この2つはインターフェイスが根本的に違うため,できるだけ混在させたくはないのですが,予約を行う上ではどうしても2つとも使わざるを得ないので,操作していく中で,その違和感を与えないようにするのが大変でした.