1960年,アメリカン航空(米国)にIBM(米国)による座席予約システム,SABREが導入され,IBMはSABREをベースに,パン・アメリカン航空(米国)にPanamac,デルタ航空(米国)にDeltamaticを納入しました.
こうした座席予約システムは,PNR(Passenger Name Record,乗客名前記録)システムと呼ばれ,民間による近代のコンピュータ利用の先駆けです.予約管理の原点はデータベースであり,数値計算とともに,コンピュータが最も得意とする分野です.
IBMは3社に納入したシステムをベースとしたパッケイジ製品,PARS,後にIPARSと発展させ,世界各国の航空会社に納入しました.日本国内でも,日本航空(JAL)がIPARSをベースとしたJALCOM IIというシステムとして導入しています.
当時のハイエンドコンピュータの雄であるユニバック(米国,現ユニシス)もPARSに対抗するPNRシステムとして,USASというパッケイジを開発しています.後発だけあって,PARSと比べてPARSが座席予約の機能のみを提供するのに対し,USASは発券,チェックイン,航空貨物,登場際管理,顧客管理などの,航空会社が必要とする業務を網羅するように設計されました.
日本国内では,日本航空に対抗する全日本空輸(ANA,以下全日空)が,ローンチカスタマーとして世界で初めてこのUSASをベースにしたRESANA(Reservation ANA)を導入しました.
当時はまだPNRシステムの重要性が認識されておらず,全日空でも国際線のみPNRシステムを導入する,という案があったと言われています.結局,ユニバックの後押しもあり,国際線,国内線ともPNRシステムが導入されることになりました.
日本独特の商習慣として,旅行代理店を通した団体予約などがあり,USASでは想定されていない機能のため,ユニバックは日本法人である日本ユニバックと共同で,RESANAを開発しました.SABREに対抗したUSASは,1978年,日本でRESANAとしてサービスを開始しました.
今では,あって当たり前の航空座席予約システムですが,必要性が議論されるような時代もあったんですね.
余談ですが,その後JALのシステムは,JALCOM III(IBM系),AXESS(日本航空,IBM系)と進化しました.ANAは,able(ユニバック),INFINI(全日空,IBM系)と変化しています.特に,AXESSはIBM系のSABREとも連携できるようになっており,世界各国の航空会社で使われています.
今では世界各国の航空会社で当たり前のようにインターネット予約が行えるような時代になりました.先端のインターネット予約を支えているのも,PNRシステムなのです.
「Dr.Net 予約くん」はこれから先の時代,当たり前になるであろうインターネットによる診察予約を行うための予約管理システムです.